2015年5月14日木曜日

ホテルのキーカード

PMツールのトレーニング講師として、先週から支社巡りをしています。それぞれ30人前後の社員を集め、朝から8時間ほぼぶっ通しで教えます。

今週の会場は、サンタバーバラとロス。二週間でホテルに7泊!これほどの出張固め打ちは久しぶりで、お蔭で、あることに気づかされました。

ホテルでドアの開け閉めに使うキーカードって、大抵の場合、どの向きにスライドさせれば良いか極端に分かりにくいのです。ブランドイメージを高めようというホテル側の意気込みはそのデザインから見て取れるものの、客の立場からすれば不便極まりない。エンドユーザーの身になってデザインしているとはとても思えないのですね。

たとえばホリデイイン。

おいおいこのカード、どの方向に差し込めばいいんだよ?よくよく眺めてみると、小さな山型サインが右肩にちょこんとついてます。ん?これってもしかして矢印か?家の屋根かと思ったぞ。しかも薄いグレーだから、廊下の薄暗がりではほとんど気づかないし。

続いてウェスティン。

仲良しカップルが、服がびしょ濡れになるのも構わず波打ち際でじゃれ合う写真をど~んと使っています。イメージを売りたいのは分かるけど、このカードをどっち向きに差せっていうんだよ?照明の下で辛抱強く十秒ほど見つめているうちに、ようやく矢印に気づきました。「お前は隠し絵か?!」と一人で突っ込む私。

「いま、世の中で起きている問題のほとんどがコミュニケーション障害だと言ってもおかしくない。」

クリエイティブ・ディレクター佐藤可士和氏の言葉です。数年前に一時帰国した際、東京の本屋でこれを立ち読みし、後で赤面するくらいその場で激しく頷いていました。

社内トレーニングの講師を長くやっていると、会社はツールのデザインにもっと投資すべきだ、とつくづく考えさせられます。何時間もかけて取扱説明を聞かなきゃ使えないようなツールは、そもそも製品としてダメだと思うのです。ま、それで私の存在価値が保障されているので、あまり文句も言えないのですが。

さて、今回のホテル・キーカード比較、優勝はロスのStandard Hotel

デザインはこうでなくっちゃ。
潔さに拍手です。


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