2012年6月8日金曜日

In the heat of the moment 一時の感情で

以前ボスのリックに、「プロジェクト・コントロールの専門家をオレンジ支社で雇う」という私の提案を話したところ、月曜の定例マネジャー会議の議題に加えてもらうことになりました。

数日後、別件で彼と話す用事があったので、首尾を尋ねました。
「ごめん。議題に上げるのを忘れちゃったよ。」
と申し訳なさそうな声。この時彼が使ったフレーズが、これ。

“In the heat of the battle….”

直訳すれば「戦いの熱の中で」だけど、要するに「バタバタしてるうちに」ってことでしょう。そう言えば似た言い回しで、

In the heat of the moment

というフレーズもよく耳にします。興奮してとんでもないことを口走っちゃった後で我に返り、
「ごめん。ヒート・オブ・ザ・モーメントの中でひどいこと言っちゃった。」
という感じで使われます。直訳すれば「瞬間の熱の中で」ですが、要するに「一時の感情で」ということでしょう。そういえば、そんなタイトルの曲が80年代にヒットしたっけ。

It was the heat of the moment
Telling me what my heart meant

最近は私も年齢のせいか、どんどん物事に拘らなくなっています。カッとなることも滅多に無いし。折角憶えたイディオムだけど、使う機会は今後も無さそうだな…。
 
給湯室で同僚リチャードとばったり会ったので、あらためて意味を聞いてみました。
「一時的な興奮状態でってことだよ。」
「ふ~ん、やっぱりね。それは怒ってる時の話だよね?」
「いや、もちろん怒っている時にぴったりだけど、ひどく興奮した状態であれば他のケースにも使える表現だよ。」
「たとえば?」

あたりをキョロキョロ見回してから声を潜めるリチャード。
「ほら、興奮のあまり避妊しそこなって子供出来ちゃった、ってことがあるでしょ。」
「あ、そうか、そういう場合でも使うのね。」
二人で顔を見合わせ、ニヤッと笑いました。しかしここで突然、リチャードが落ち着きを失います。40オーバーのおっさん二人がニヤつく話題としてはいささか青過ぎることに気付き、急に気恥ずかしくなったみたい。私も居心地が悪くなり、三秒ほど沈黙した後、二人でアッハッハと大声で笑ってその場を去りました。

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