2011年10月29日土曜日

キャンプの達人

先週末は、サファリパーク内のキャンプ施設に家族三人で泊まりました。なんと一ヶ月の間に三回のキャンプ。どうしちゃったの?ってくらいの入れ込みよう。これは午後4時半にスタートして翌朝9時半までのプログラムで、夜の園内ツアーが見所です。闇の中で動き回るキリンやサイやライオンを見学する、というのはなかなか出来ない経験。寝袋と防寒具と懐中電灯だけ持参すればOKなので、初心者でも心配無用。晩飯も朝食も出るし、夜はキャンプファイヤー。マシュマロを串に指して炙り、チョコレートと一緒に食べる「スモア」まで用意されてる。至れり尽くせりです。
昨日の午前中、サンディエゴのオフィスで環境部門のオフィスマネジャーをやってるジムと話していたら、
「あ、そうだ、キャンプはどうだった?」
と思い出したように尋ねました。そういえば、先日彼にはこの話をしてあったのです。
「すごく楽しかったよ。夜中に目覚めてテントを出て、少し離れたところにあるトイレまで歩いた時、闇の中でたくさんの小動物が藪の中へ逃げていく音が聞こえて、ちょっと怖かったな。」
「そいつは珍しい体験だね。」
そこへ熟練PMのダグがやって来て、会話に加わりました。
「ダグも僕も、コロラドの山の中で育ったタイプで、子供の頃からキャンプばかりしてたんだ。今でも年に数回は狩りと釣りも兼ねたキャンプだね。」
そう言うジムに合いの手を入れるように、
「ああ、俺は年に一回だけどね。」
とダグ。
「狩りって何を?」
と私。
「ま、大抵は鹿だね。」
と二人。

それから彼らは、獲物を乾かすため、皮を剥いで岩の上に一昼夜置いておくこと、しかもそこからキャンプ地までは十分距離を取ること、などを教えてくれました。
「熊にやられるかもしれないからね。獲物を持っていかれることはしょっちゅうだけど、それでも巻き添え食らって殴り殺されるよりはましだろ。」
一口にキャンプといっても、レベルが色々あるんだな、と悟りました。この二人は文句無しに、筋金入りのキャンパーです。

その後、エド、リチャード、そしてマリアと一緒に地中海料理のお店でランチ。私は炒めたラム肉をナンみたいな生地で包んだ物を頼みました。ここへマリアの友人のジョナサンが合流し、何故かまたキャンプの話題になりました。ジョナサンは、近いうちにハンティングに行くと言います。
「ボア(イノシシ)を撃ちに行くんだ。もともと外国人が連れてきて野に放したのが繁殖し過ぎちゃって、在来種を駆逐してるんだな。だからボア狩りは奨励されてる。」
「しかもその肉がウマいと来てる。」
ニヤリと笑うエド。リチャードも、自分は一度アーチェリーを使ってみたい、なんて口を挟みます。

ええ~っ?みんな普通にハンティングしてんの?ちょっとショックでした。帰宅し、夕食時にこの話をしたところ、鹿を撃つ、というくだりで9歳の息子が泣き出しました。可愛い鹿を殺すなんてひどい、と訴えるのです。
「でもね、私たちは皆、殺された動物を食べてるのよ。」
となだめつつ教えを説く妻。
「でも鹿を食べなくたっていいじゃない!」
と抵抗する息子。その後、イノシシ狩りの話題を持ち出すと、急に目を輝かせて、
「僕もやってみたい!」
と俄然元気を見せる9歳児。おいおい、イノシシはいいのかよ?!

続いて今日私が食べたラム料理の話になり、
「僕もラム食べてみたい。」
と嬉しそうに言うので、
「ラムって子羊のことだよ。」
と説明すると、再びさめざめと泣き出す息子でした。

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