2011年3月5日土曜日

All kidding aside 冗談はさておき

木曜日、プロジェクト・マネジメント初級トレーニングの講師をするため、カマリロ支社まで出張しました。一時間強のプレゼンを午前と午後一回ずつ、計30名ほどの出席者に対して行ったのですが、好評を頂きました。

終了後には数人が部屋に留まり、彼らの個別相談を受けます。アカウンタントのジェシカという女性社員が特に熱心で、矢継ぎ早に質問を浴びせかけて来ました。その後彼女のオフィスに乗り込んで具体的な指導をしたのですが、病院の受付みたいにオープンな構造の部屋なので、我々の会話は周囲に筒抜け。あちこちの部屋から、声だけで時々茶々が入ります。そのうち、それまで壁越しに合いの手を入れていたカールという中堅PMが、隣の部屋から現れました。

さきほどトレーニング会場で見た時には気付かなかったのですが、このカールという人のルックスは個性的。完璧なスキンヘッドに、クリーム色の半袖Tシャツ。大胸筋が異常な発達を見せており、二の腕は一般成人男子の太腿くらいの太さがあります。一見おっかないのですが、発言の半分はジョーク、というタイプ。

「俺のプロジェクトは毎月レビューを受けてるんだよ。お偉方が4人も5人も出てきて、入れ代わり立ち代り、財務上の質問をするんだな。俺の方はまず、質問の意味が全く分からない。埒が明かないんで、毎回会計担当者を引っ張り込んで、答えてもらってるんだ。で、最近ようやく分かって来たんだけど、今度はお偉方の方でその回答が理解出来ないみたいなんだな。」

そんな風にして、カールとジェシカとの会話をたっぷり楽しんだ後、ビジター用オフィスに引き上げて仕事を続けました。気がつくと夕方5時。ビルからどんどん人がいなくなっていくので、私もそろそろ店じまいしようかと思っていたところ、さっきのカールが帰り支度を済ませてやってきました。笑顔で近づいて来たかと思うと、超人ハルクみたいな逞しい腕を伸ばし、固い握手をしながらこう言いました。

“All kidding aside, that was very helpful. Thank you very much.”

これは初めて聞く言い回しですが、意味はすぐに分かりました。Kidding が「冗談」、aside が「置いといて」だから、「冗談はさておき」ということですね。

「冗談はさておき、すごく良かったよ。どうも有難う。」

カールの好感度が、ぐ~んとアップしたのでした。

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