2010年7月8日木曜日

Quitessential 典型的な


映画「いとこのビニー」を観ました。慣用句がジョークの種として山ほど出て来るので、英語学習者には楽しい作品です。
借金を返せと迫ったのに対し、
“Over my dead body.” (そんなことはさせないぞ)
と挑発する大男に、
「じゃああんたを殺せばいいんだな。」
と切り返す。
“In your dreams.” (あり得ないね)
とせせら笑われると、
「いやいや、現実の話をしてるんだよ。」

日本語に訳すと全く面白くないんだけど、英語だとこのやり取りが結構笑えるのです。ところでこの作品中に、前から使ってみたかった単語「Quintessential」が出て来ました。

He was just being the quintessential Gambini.
彼は典型的なガンビーニ家の人間として振る舞ってただけだよ。

これは、無実の罪で裁判にかけられる若者二人の片割れが、法廷でおかしな言動を連発する弁護士の叔父さんビニーをかばうため、彼がかつて手品師のトリックをことごとく見破ったエピソードを語る場面です。そもそもquint は五番目、essense が元素という意味で、ギリシャ哲学ではQuintessenseを「第五元素」と呼んでいたそうです。万物の構成要素を火、風、土、水とし、これを四大元素と呼んでいましたが、さらに天上にしか存在しない元素「アイテール」を第五元素としたとのこと(なんのこっちゃ)。それが「神髄」という意味で使われ、形容詞のQuintessential が「神髄を現した」、そして「典型的な」となったわけ。

なんと今日さっそく、これを使うチャンスが訪れました。コスト管理意識の高さでは他の追随を許さない敏腕PMのエリックが、電話でこんな思い出話を語ってくれたのです。
「まだ僕が12歳くらいの時、母さんが保険会社に千ドルを超す補償を要求してたんだよ。そしたらこの会社が五百ドルの小切手を送りつけて来たんだな。母さんがこの時、こんなものに騙されるもんですか、この小切手は絶対現金化しないわ。したら最後、この人は半額以下で折り合ったとか何とか言ってつけ込むんだから、って粘り続けたんだよ。で、最終的に全額支払われたんだ。」
「面白いね。きっと君の家系の経済観念を表す典型的なエピソード(a quintessential episode)なんだろうね。」
「ああ、そうかもね。」

あとでちょっと気になったんだけど、これって褒め言葉になってたのかな。

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