2010年6月6日日曜日

Beat it! 失せろ!


先日、デヴィッド・リンチのマニアック映画「マルホランド・ドライブ」を観ていた時のこと。映画監督アダムが謎の男達を乗せていた黒塗りの車に近づき、運転手に話しかけた際、

“Beat it, pal.”

とぶっきら棒にあしらわれるシーンがあり、おや?と思いました。マイケル・ジャクソンの「今夜はビート・イット」のプロモーション・ビデオを初めて見てから四半世紀が経っていますが、あれ以来Beat というのは「やっつける」という意味だと固く信じて来ました。でも、それだとこの映画のシーンはまったくの意味不明です。

あらためて調べたところ、Beat it はなんと、「失せろ」という意味だったのです。25年も知らずにいたなんて!こういうことがあると、辞書は手放せないな、と思います。私の好きなBeat の用法は、

Beat the traffic.

です。「そろそろ出発するよ。渋滞になる前に抜けたいから。」という場合、

“I’m gonna leave now so that I can beat the traffic.”

と言ってみたりします。言いながら、ちょっとクールだな、と自己満足を覚えます。

ところでよく考えてみると、「今夜はビート・イット」という邦題、意味不明です。

2 件のコメント:

  1. 邦題っていうのは、不思議だね。
    映画や歌や、本のタイトル、いろいろあるよね。
    When Harry mets Sallyが恋人たちの午後だったっけ?
    すぐには思いだせないけど、キッスのアルバムタイトルは全部地獄のなんとか・・・だったよね。
    あれ、訳しているひとの自己満足?それともコピーライトの走り?

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  2. 「恋人たちの予感」だったんじゃないかな。キッスの曲がみな「地獄の・・・」というのは笑えるね。

    Girls just want to have fun を「ハイスクールはダンステリア」という邦題で売り出したらシンディ・ローパーからクレームが来た、という有名なエピソードがあるけど、あまりに変えすぎるのは問題だよね。

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